ターゲットで行の挿入および更新を実行する必要がある場合、動的ルックアップキャッシュを使用します。動的ルックアップキャッシュを使用すると、挿入または更新の目的でターゲットに渡したデータと同じデータをキャッシュに挿入または更新できます。

たとえば、顧客データが含まれているテーブルを更新する必要があるものとします。ソースデータには、ターゲットに挿入または更新する顧客データ行が含まれています。ターゲットとなる動的キャッシュを作成します。キャッシュ内の顧客をルックアップするようにルックアップトランスフォーメーションを設定します。

以下の図に、動的キャッシュがあるマッピングを示します。

ルックアップトランスフォーメーションは動的ルックアップキャッシュを使用します。 セッションが開始すると、Integration ServiceはCustomer_Listテーブルからルックアップキャッシュを構築します。 Customer_Listテーブルは、マッピングのターゲットでもあります。Integration Serviceは、ルックアップキャッシュにない行を読み込むと、その行をキャッシュに挿入します。

ルックアップトランスフォーメーションは、ルータトランスフォーメーションにその行を返します。ルータトランスフォーメーションは、その行をUPD_Insert_NewトランスフォーメーションまたはUPD_Update_Existingトランスフォーメーションに送ります。アップデートストラテジトランスフォーメーションは、この行を「挿入」または「更新」とマークし、ターゲットに渡します。

Customer_Listテーブルは、セッションの実行に伴って変化します。Integration Serviceは、ルックアップキャッシュに新しい行を挿入し、既存の行を更新します。 Integration Serviceは、ルックアップキャッシュとCustomer_Listテーブルを同期化します。

ターゲットのキーを生成するには、関連するポートのシーケンスIDを使います。シーケンスIDは、Integration Serviceがターゲットテーブルに挿入する新規行のプライマリキーを生成します。

動的ルックアップキャッシュを使用するとセッションパフォーマンスが向上します。データベースからキャッシュを構築するのは1回だけだからです。ターゲットテーブルのデータが変更されても、ルックアップキャッシュを使い続けることができます。